足尾銅山に出かけた。
東京方面からだと久喜で東武りょうもう特急、相老からわたらせ渓谷鐵道と乗り継いで4時間以上かかる。わたらせ渓谷鐵道に乗り換えてからがなかなか長い。
わたらせ渓谷鐵道の始まる桐生が群馬県なので足尾銅山も群馬のイメージがあるが、行政上は栃木県日光市。元は足尾町であったが、銅山閉山後に急速に人口が流出、日光市に併合された。
タクシーの運転手さんも「日光の人は足尾なんか知らん」と仰っていたけれど、あまり日光というイメージではない。
最初は間藤まで行く予定だったが、朝からおにぎり一つでここまでたどり着き、間藤には食堂も売店もまったくない、とのことだったので、足尾銅山観光の中心、通洞駅で降りた。
しかし結論から言うと、通洞でもなにも食べなかった。
食堂らしきものは二軒ほどあったけれど、やっているのかやっていないのかわからない雰囲気で、正直入りづらい。
コンビニというか、ヤマザキの店舗が一軒だけあったが、これがとてつもない品揃え。お年寄りしか住まない過疎の村なので当然なのだけれど、地元のおばちゃん二人(うち一人は店番)がおしゃべりしている薄暗いお店に、ポツンポツンとカップラーメンなどが置かれている。通常の棚展示ではなく、なんというか、例えばアップルストアなどに行くと色んなiPhoneが間隔を開けて置いてあるけれど、大体あれくらいのスペース感で陳列してある。売っているというより、カップラーメンの博物館みたいだ。もちろんおにぎりやお弁当などはない。お湯も沸かせるけれど三十分くらい待つというので諦めた。
足尾銅山は想像してたより田舎だった。ちょっと不安になるくらい何もない。
足尾銅山観光の施設内には何かあるのかもしれない(が、あまり質は期待できないだろう)。
自動車はともかく、わたらせ渓谷鐵道で観光に訪れる方は食べ物・飲み物は買っていった方が良い。自動販売機もほとんど見なかった。
(ちなみに同行のkiwi氏は二度目の筈なのにまったく注意しなかったのが今考えると不可解、というか腹が立つ)
通洞駅から南の方に下っていく。
以上2点、通洞動力所。新梨子油力発電所に隣接している。煉瓦造りの美しい建物だが、実はベースは木造で、後から煉瓦やコンクリートで補強したらしい。かなり崩壊が進んでいる。
以上4点、通洞変電所。こちらは現役の変電所である。
以上6点、中才鉱山社宅。
鉱山住宅だが現在も居住者がある。空き家と現役家屋が入り混じっている。
煉瓦造りの防火壁が時代を感じさせる。
中才倶楽部。集会所のような施設だったのだろうか。
これも選鉱場の一部。
ここから通洞駅に戻り間藤駅まで移動、そこから三川合流地点、足尾砂防堰堤や銅親水公園のあるエリアまでタクシーで移動した。鉄道&徒歩で訪れる場合、このルートはかなりお勧めである。
ここまで鉄道で登れれば良いのだけれど、間藤駅までしかわたらせ渓谷鐵道が動いていない(かつてはもう一つ駅あったが廃止)。足尾銅山で一番巨大な遺構が拝める本山製錬所はまだ少し先である。先と言っても2km程度なので歩けるが、緩い上り坂でもあるし、一旦上まで上がってぶらぶら歩いて下りてくる方が楽しい。本山製錬所より更に先にある遺構や三川合流の巨大な河原も眺められる。
三川合流地点。
愛宕下集落。住宅は解体され、防火壁のみが残っている。
巨大なお化け煙突。間近で見ると相当な迫力だ。
以上4点、本山製錬所。
硫酸を貯めていたというタンクの真下まで行ければ良いのだけれど、立入禁止。しかし川の対岸から見てもド迫力である。生で見ると全然違う。
古河橋。
以上2点、本山動力所方面に歩いていった時にあった、おそらくは現役施設。本山動力所と勘違いしてしまった。
ここから間藤駅に向かってのんびり下っていく。
もちろん、基本的には現役家屋である。ただし本当に高齢者しか住んでいないらしい。
間藤駅までの間には、栃本屋跡(赤倉売店出張所)、間藤水力発電所などもあった。