上総牛久駅というのは小湊鉄道の駅。
別に上総牛久駅に用事があったわけではなく、目的は養老渓谷だった。
養老渓谷に行くには、内房線の五井駅で小湊鉄道に乗換える。五井駅は千葉駅の少し先程度で、ここまでは「東京の続き」といった感じで、電車の本数も多いし、のどかな田舎っぽさなどは全然ない。しかし小湊鉄道の世界に入ると、途端にど田舎になってくる。
小湊鉄道はチンチン電車のような可愛い電車で、「東京から一番近い秘境駅」があるとも言われ、この電車自体が目的の鉄道ファンの人たちも大勢訪れる。それは良いのだけれど、さすが秘境だけあって、めちゃくちゃ本数が少ない。
無計画に行ったところ、五井駅で二時間近く待つことになってしまい、途方に暮れた。
五井駅はまだまだ田舎というほどではないのだけれど、逆に言えば国道をビュンビュン車が飛ばしているだけの郊外で、正直、面白みはまったくない。ご飯を食べるにしても国道沿いのファミレス系くらいしか見当たらない。旅行に来てガストでご飯を食べるなんて可哀想すぎるので、ここで時間を潰すのはあきらめて、途中の上総牛久駅まで行くことにしたのだ。
小湊鉄道は終点まで行く列車と、上総牛久駅どまりのものがある。養老渓谷に行くには前者に乗らないといけなくて、これが来るまでにはかなり時間があったのだけれど、その前に一本、上総牛久駅どまりのものがあったのだ。どうせ時間を潰すなら、もうちょっと田舎の方が面白いと思った。
というわけで、特に行く予定もなかった縁もゆかりもない上総牛久に初上陸。
まぁ、よくある小さな地方の町というレベルで、本当のど田舎というほどでもない。
しかしそういう場所は大体一番沈没していて、栄えている場所があるとしても国道沿いで、駅周辺はゾンビが出現しても食べる人間すらいないみたいな状態になっていることがままある。
上総牛久駅周辺も例に及ばず、なかなかの廃っぷりだった。
とりあえず駅正面、南側にやってきたのだけれど・・。
目につく商店がほぼみんなシャッターが下りている。
廃墟とは断じられないけれど、営業している雰囲気もない。
店舗兼住宅のような建物が多いので、営業はしていなくても住居としては生きていることもある。
このガソリンスタンドも綺麗だけれどロープで閉じている。
古本屋も死亡。
綺麗だけど貸し店舗。
ここも閉まっている。
素晴らしかったのは下のコレ。
上総牛久駅近くのオートコーナー。丸ごと草木に埋もれている。
閉鎖されてからだいぶ経っている様子。
オートコーナーという店舗自体がもう時代から取り残されているからなぁ。
カラオケ店ベスペールもやっていない様子。
理容渡邉。
ちなみにコレは上総牛久駅前にあるアーケードというか、門みたいの(これなんて名前なの?)。
「まちづくりナウ」。
なうとか言ってる場合じゃないでしょ。それとも今まだ作ってるとこなの?
養老渓谷、粟又の滝、幻の滝につづく!