三菱美唄炭鉱、フラワーボウル、カナディアンワールド、水明荘

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

美唄バイオセンター、三菱美唄炭鉱、我路映劇と我路の廃屋群のつづき。

我路から更に美唄富良野線を東進、途中から道なりに北に向かった奥に、三菱美唄炭鉱の跡地が炭鉱メモリアル森林公園として整備されている。竪抗巻揚櫓、施設の電源を管理していた開閉所、石炭を貯蔵する原炭ポケットなどが保存されている。


原炭ポケット。


竪抗巻揚櫓。


開閉所。
まったく人気がないが、綺麗に整備されていて見学しやすい。ちょっと綺麗すぎて拍子抜けだ。
最奥地に位置し1973年に閉山した三菱美唄炭鉱周辺は、かつては一大集落として栄えたらしいが、現在はまったくの無人。もう少し町寄りで現在も炭鉱住宅が現役住居として利用されている三井美唄炭鉱とはずいぶん違う。

さて、ここから今来た道を美唄市街まで引き返し、国道12号線を北上する。あの「日本一長い直線道路」である。
途中、茶志内炭山郵便局に寄るが解体済みであった。


以上3点、美唄市茶志内町3区の廃屋
まっすぐな道の走る真っ平らな土地にいきなりポツンと取り残されている。


以上2点、奈井江町奈井江の廃屋(ジョージ交流館)
三井奥奈井江炭鉱が近かったせいか、この辺りは小さな集落になっている。

国道12号線を東に右折、芦別砂川線に入り上砂川町へ入り、炭鉱とは関係のない有名物件へ。


以上7点、フラワーボウル。ボウリング場跡だが、解体され壁だけになっている。隣には上砂川町鶉本町北の菓子工場も残されている。

さらに東進し赤平奈井江線に入り、再び炭鉱関係。


三井砂川炭鉱。閉山後、立坑を利用して地下無重力実験センター(JAMIC)の施設が作られたが、それも2003年(平成15年)に閉鎖されている。「再利用後にそれも閉鎖」パターンの一つである。
すぐ向かいにある上砂川町コンベンションホール、上砂川町無重力科学館もとても立派な施設なのに閉館している。
閉山後に無重力で町おこしを図ったもののJAMICが潰れてまるごと沈没した格好だろうか。
なお、隣接する「かみすながわ炭鉱館」は現役である。

更に東進。


以上1点、上砂川町本町の幼稚園跡

さて、ここから芦別砂川線で東進し芦別に抜けようか、と考えていたのだけれど、北海道胆振東部地震の影響か、通行止め。
ちょうどルートに迷っていたこともあり、少し戻って赤平奈井江線で北東に進み歌志内に出ることにした。

途中上砂川シャンツェ(上砂川岳国際スキー場)に寄るが、なにせスキー場跡なので斜面があるだけ。すぐに見渡せる範囲ではリフト跡なども見つけられなかった。


以上3点、上歌砿会館(悲別ロマン座)。カフェに転用されている(訪問時は営業していなかった)。


茂尻付近にあった建物だが、別に廃墟ではない(たぶん)。

時間の関係もあり、ここから大移動。国道38号線で赤平から芦別へ東進。残念ながら赤平市内の小物件は省略した。
赤平市街から「星の降る里大橋」で空知川を北に越える。名前はふざけているが、とてつもなく巨大で立派な橋である。
渡ってすぐに北の京芦別(北海大観音、芦別レジャーランド)がそびえ立つ。超巨大観音が遠くからでも確認できるが、現役転用されている。デカすぎて逆に撮影場所に困る。
ここから夕張国道をぐんぐん北上していく。途中、油谷炭鉱を一応確認するが、別企業地に転用されていてまったく痕跡は見られないし見学もできない。
すると…


キツネがいた!
これまでにも何度か視界の隅をキツネが走り抜けることがあったのだけれど、このキツネ、そばに車が停まっているのに全然逃げない。もしかして人間から餌をもらっているのかもしれない。
調子に乗って車から降りてそーっと近付こうとすると逃げられてしまった。
「車に乗っている間は何もしてこない」と知っているようだ。びっくりさせてごめんなさい。

さて、この道の北どんつきに知る人ぞ知る施設がある。


カナディアンワールド
三井芦別炭鉱閉山後に町おこし的に芦別市の第三セクターが始めたテーマパークだったけれど、今考えれば予想通りというか、客足が伸びずに閉園。
面白いのが、ここから芦別市が無料の市民公園として再利用していることだ。普通ならテーマパーク閉園と共に廃墟化している。
つまりここは廃墟ではなく現役施設である。
現役施設でありながら建物などが廃墟風に朽ちている、ということで知られているのだが、実際訪れてみると広大な施設にも関わらず草刈りなどの手入れも行き届いていおり、荒れた感じはない。
建物などは不使用のまま放置されているものが多く、朽ちた感じはあるものの、元がカナダのテーマパークであるし、これはこれで「再現されたゴーストタウン」風で悪くない。
ただし人はほんとうにいなかった。
わたしたちの訪問時にも、数組の家族連れ、若者グループ、老夫婦などが見られるだけで、敷地がめちゃくちゃ広いだけに寂しさが半端ではない。異世界に飛ばされて取り残されたみたいである。
この入場者数では、園内の維持管理費はおろか、数少ない営業店舗で働いている人の人件費も捻出できないだろう。しかも今は入場無料、収入といったら売店の売上だけなのだから、あるだけどんどん赤字になる。
芦別市も思い切ったものであるが、確かに綺麗で良いところなので、なんとか頑張って持ちこたえて貰いたい。
訪問時は天気もすっきりせず肌寒い日だったけれど、春先などに芝生でお昼寝でもすれば天国だと思う。

さて、日没も迫ってきたのでここから一旦芦別市街に南下、更に南へと大移動する。

とうとう雨が降ってきた。

どんどん暗くなる中、ぎりぎりで辿り着いた。


以上5点、水明荘
三井芦別炭鉱の独身寮跡だが、かなり崩壊が進んでいる。
しかし逆に、こんなところにポツンと建っていて勝手に倒壊する分には特に害もないし、放っておかれているのだろう。北海道は素晴らしい。
このまま地に還るのを静かに見届けたい。