北品川から青物横丁へ南下。
結論から言って、非常に良いエリアだった。正直京急電車は好きではないし、京急と第一京浜道路周辺は荒んでいるけれど、旧街道沿いの町並みは素晴らしい。
そもそも本当の品川とはここなのである。
品川駅から京急電車で南に一駅目が「北品川」なのに疑問を持たないだろうか。品川駅の南なのに北品川。しかしこれは北品川が正しいのであって、本当の品川宿は北品川駅の南、青物横丁駅周辺までのエリア。品川神社が新馬場駅向かいにあることからもわかるだろう。
品川駅は品川区ではなく港区であり、品川宿を丸ごと潰すわけにもいかずに現在の位置に作ったのだろう。あんなものは品川ではない。
ちなみに山手線内側の最南部を五反田から品川を結ぶ線でスパッと切った上弦の半円を考えると、このエリア内には品川駅前の高山稲荷神社を除くと神社仏閣がほぼ一つもない。御殿山と呼ばれる超高級エリアで、かつては将軍家の鷹狩りの地だったと言うが、血の通った土地でないのがよくわかるだろう。同様に神社がまったく見られないのが江戸川区や江東区の東西線より南のエリアで、ここは要するに新興埋立地である。土地の「お上品度」では好対照ではあるけれど、人の通わぬ地であったことは共通している。
コースとしては、まずは品川駅で乗り換えついでに高山稲荷神社。ここはいけ好かない立地であるけれど神社自体は非常に味があって良かった。
そこから一駅だけ京急電車に乗って北品川、善福寺(朽ちた味わいが素晴らしい!)、利田神社、法禅寺(ここも砂利駐車場みたいな境内、寺院内にある杉森稲荷神社という取り合わせが良い)、一心寺、養願寺、正徳寺、品川神社(超大物!)、清徳寺、本照寺、稼穡稲荷社、荏原神社(近所の家にアヒルがいた!)、海徳寺、北浜三社稲荷、寄木神社。この辺までが北品川で、新馬場駅付近になる。
ここで目黒川を渡り南品川エリアへと入り、三岳神社、心海寺、本覚寺圓教院、本榮寺、蓮長寺、妙蓮寺。目黒川の南側に固まっている寺町である。
さらに南下し、本光寺、願行寺、清光寺、海蔵寺、寳藏稲荷神社、天竜寺(悲しい踏切事故の逸話が残る)、清光院、小野稲荷大明神。
東關森稲荷神社、松下稲荷神社(ガレージみたいな変な神社)。
日も傾いたところをもうひと頑張りで極楽寺(家タイプ)、真了寺(デラックスなインド風の門、象のレリーフ)、天妙国寺、長徳寺、常行寺、南品川諏訪神社。
この日巡った中でのオススメとしては、最初の方で訪れた善福寺だろうか。朽ちた感が大変よろしい。品川駅前の高山稲荷神社も良い。
天竜寺は寺自体は普通なのだけれど、碑文谷踏切責任地蔵尊というのがある。これはかつて踏切が手動だった頃、激務の踏切り番が居眠りしたせいで人力車に乗っていた銀行員が轢死、責任を感じた踏切り番二人が線路に横たわり自害した、という悲しいお話にちなむものである。またこの付近には京浜工業地帯の名残を示す産業遺構が見られる。
ちなみに神社はショボいならショボいなりの、むしろショボい方が面白い味わいというのがあるけれど、寺院はまったくツルンとしたビルだったり、逆にまるで普通の家だったりすることがある。後者を「家タイプ」と名付けた。「家やん!」とツッコミたくなるタイプのお寺である。
以下、写真は神社仏閣にはほぼ関係ない。
アカンやつや。
かなり良い。
かなり良い。
女の子のイイ女度。
利田神社。
法禅寺境内。近隣の家は境内を通って出入りする形。
品川神社。
荏原神社そばのアヒル。普通の家で普通に飼われていた。くわっくわっくわっ。
かなり良い。
三岳神社向かいの駄菓子屋さん。