東大和、福生、あきる野、八王子と東京西部のポイントを巡る。
まずは小平で西武新宿線から乗り換えて西武拝島線玉川上水。玉川上水は延々と羽村から流れているのに駅名が玉川上水ということは、まあ何もなかったのだろう。今は音大がある。
駅のすぐそば、東大和南公園内でこちらを見に行く。
以上3点、旧日立航空機立川工場変電所。
非常に有名で文化財として管理されているのでわざわざ見るまでもないか、と思っていたのだけれど、やはり間近で見学すると違う。機銃掃射の跡があることで知られているが、直接見ると人の頭ほどの穴が空いている。こんなもので撃たれたら、死ぬとかなんとか言う以前に木っ端微塵にされてしまうだろう。恐ろしい。
変電所跡の周りには碍子や鉄骨のようなものが配置されているのだけれど、ただ置かれているのとも違うように見えるし、なにかアート作品的なものかもしれない。
ここから徒歩で移動するが、綺麗な住宅地でこれというものはない。
以上2点、日の出ストアー。飛行機の格納庫のようなユニークな形状をしている。
ここから一旦玉川上水駅に戻り、拝島まで行ってJRに乗り換え福生へ。
以上3点、福生駅周辺。
福生というと村上龍だが、横田基地があるのは駅東で、ここは西側。あまり米軍っぽさはなく綺麗である。
しかしこの辺りまで来ると駅前とはいえ空間に隙があり、気持ちがゆったりする。都心は何もかもがギチギチで本当に息が詰まる。
バスで西に進み、多摩川を越えてあきる野市草花へ。
住宅地の中を大澄山へ登っていく。のどかな風景で最初は良かったのだけれど、途中から藪の間を歩く形になり、ハイキングコースになり、最終的に完全に道が藪に埋もれてしまって前に進めない。
あの前にあるのが目的地なのだが、どうにも進めない。虫がアホほどたかってくる。
一旦下がって別のアプローチ路を探した。
世界平和観音堂。
遂にたどり着いた。この日の最大の目標。何があるというわけでもないが、前から一度訪れたいと思っていた。
地元の有力者が建立したらしいが、完全に打ち捨てられている。写真を撮るためにわずかに静止する間にヤブ蚊が容赦なくたかってくる。
街も嫌いだけれどここまで藪でも困る。
一旦草花バス停に戻り、ラーメン屋の影でしょんぼりと三十分くらいバスを待つ。秋川駅まで移動し、そこでバスを乗り換えて多摩川支流秋川を南に越えて八王子市に入った。
八王子市戸吹町という、八王子市とあきる野市の間くらい、つまり八王子の中でも割と端っこのエリアなのだけれど、最後に訪れたここが非常に良かった。
蔦に埋もれかけた川、ポツポツと建つ家、中途半端な畑、駐車場ばかり大きなコンビニ、潰れたスナック、土建屋さんの資材置き場と砂利敷駐車場にあるトガッた車。これぞ郊外原風景で、じーんと胸に来た。もっと早い時間に来て撮影したかったが既に夕方。
以上3点、相武病院。
一応ここが目標だったのだけれど、ご覧の通り厳重に管理されている。心霊スポットなどとも言われているらしいが、直ぐ側に移転後の現役病院があり、また手前は土建屋さんの土地で気の荒そうなおっちゃんが働いている。滅多なことは考えない方がよろしい。
ぶらぶら歩いてついでに桂福寺を眺め、バスで京王八王子駅へ。車窓から眺める日に沈む風景がまた美しい。人の吸う空気が残っている土地だ。隙間のある世界。
八王子市街まで出ても、街が身体に馴染み帰りたくない。しばらく駅の周りをぶらぶらした。
京王線に乗れば一本であっという間に新宿。夢から覚めた心地がする。
旅から帰る時は都心を通りたくないね。